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会長ご挨拶

北風政史
日本血管生物医学会学術集会 会長
北風政史
(国立循環器病研究センター臨床研究部・
心臓血管内科 部長)

 この度、第21回日本血管生物医学会学術集会を担当させていただくにあたり、一言ご挨拶をさせていただきます。
 ご承知のように、血管は、生体内のすべての臓器に対して、酸素・栄養物を過不足無く行き渡らせる存在であり、その機能を生物学的に研究することは、生体制御解明に直結します。長寿社会を迎えた現在、生理的状態における血管機能の解明、疾病発症に直結する血管障害の因子同定・修復機転の開発は、医学的にも社会的にもますますその重要性を増していくと考えられます。
 生物学的切り口から血管機能解明に焦点を絞る本学術集会は、血管生物学研究者が一堂に会して、その研究内容を発表し議論する場であり、学問的にも社会的にも意義の深いものと考えております。今まで開催されて参りました学術集会を振り返えれば、その後の基礎・臨床研究の礎になった多くのすばらしい研究が発表されており、それらの研究の質がいかに高いものであったかがわかります。本学術集会では、これまでの基礎医学を希求する学会の方向性を踏襲しながら、さらに医学的・社会的なインパクトを訴求するため、これまでのレベルの高い生物学的基礎研究を積み重ねるだけなく、血管を主体に臨床的に研究を展開されているphysician scientistsの方々にも強くご参加を呼びかけることにいたしました。その思いをお伝えするために、”Beyond Cutting Edge of Vascular Biology and Medicine” を今回の学術集会テーマとしました。これは、基礎的研究と臨床医学におけるエビデンスの融合により、未来の血管生物学研究がますます発展することを祈念したものです。本学術集会を通じて、血管生物学者は、臨床研究・実臨床の場でのニーズを知り、臨床医・physician scientistsは、基礎研究で見つけられた血管研究のシーズを実臨床に取り入れることができれば、幸いであります。
 プログラム委員長・副委員長の望月・安田先生とも相談の上、海外から著名な血管研究者をお招きして特別講演を頂戴し、基礎分野と臨床分野からそれぞれup-to -dateなトピックスについてシンポジウムを行います。さらに、柔軟な発想を持つ若い研究者には、一般演題やポスターセッションでご発表いただき、さらに、将来血管研究をしてみたいと考えている大学生・大学院生には、最先端の研究内容に触れて学んでいただきたいと思っています。
 本学術集会をこの度、大阪・北摂の地で開催させていただくことは私にとって欣快であると同時に、その責任の重大さを感じているところです。今回の学会会場は、大阪・新大阪、伊丹空港から大変アクスの良い千里中央駅に近接している千里阪急ホテルを予定しております。北摂は、万博記念公園からも近く、大阪府内でも最も緑豊かな地域の一つであります。本学術集会が開催される9月下旬は、大阪でも秋の訪れを感じさせる時候です。ぜひ、本学術集会にお越しいただいて血管生物学と血管の臨床についての話ができる場になれば幸いです。当地にて皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

日本血管生物医学会学術集会 会長 北風政史
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